「資生堂」が考える日本女性のトレンドメイク“過去と未来の100年史”
化粧品メーカー大手「資生堂(shiseido)」が2020年のメイクトレンドを予想。
同時に「過去100年分の日本のメイク」を振り返り、写真つきで日本女性のメイクが2分で見れます。
メーキャップアーティスト「鈴木節子」が手がけるメイクの変遷は、“メイクあるある”や”懐かしさ”も感じさせてくれます。
「1920年代~2020年代」振り返る日本女性のメイク100年
今回はいわゆる“西洋由来のメイク”で時代をさかのぼったお化粧まとめ。
古さを感じるメイクもあれば、逆にいま見ても新鮮に感じるメイクもあります。
あなたのお母様やお祖母様がしていたメイクかもしれませんよ!
1920年代「大正ロマンモダンガールのメイク」
1920年代から30年代の外国映画でも見かけるメイク。
- 細めの眉
- たれ目に見えるシャドー入り目尻
- 小さくまとめた口元
今回のメイク変遷でもトップクラスに「レトロ」。
“か弱い女性“の雰囲気が良く出ており、西洋風メイクとしてはまだまだ日本的な感覚を残しています。
1930年代「銀幕女優へ憧れた時代のメイク」
いわゆる“銀幕女優風のメイク“が流行した1930年代。
- 曲線状にカーブした眉
- 大きめに表現した唇
1920年代に比べると、はっきりした印象のメイク。
1950年代「アメリカン&ヘップバーンスタイルのメイク」
戦後の“復興へと向かう力強さ“が宿った50年代のメイク。
- 芯の強さを表現した太めの眉
- しっかりつり上げたアイライン
イメージはまさに「オードリーヘップバーン」。
ショートカットのヘアスタイルも大流行。
1960年代「欧米志向の西洋人形風メイク」
日本のメイク変革期とも言える1960~70年代。
本格的に西洋を意識しはじめた時代のメイクです。
- 上まぶたに描く二重ライン
- 大きなつけまつ毛
- 淡いシャーベットトーンの口紅
バービー人形のようなイメージの“お人形さん”メイク。
今や珍しくない「日焼けした肌」が初めて流行した時代でもあります。
1970年代前期「フォークロア調ヒッピーメイク」
経済急成長の反動による社会的“暗い現象“が「退廃的メイク」として現れた1970年代前半。
- つり上がった目元は再びシャドーの入った「たれ目」に
- 薄く細い眉
全体にどこか“影”のある退廃的な雰囲気。
「ヒッピースタイル」が流行ったこともあり、外人風パーマやバンダナなども登場。
1970年代後期「日本美を再認識した時代のメイク」
日本ならではの美しさを意識し始めた1970年代後半。
「欧米が一番」というそれまでの考え方から、“日本美“にスポットを当てた時代へと変化。
- 日本美を象徴するな黒髪
- 濃い目に主張したリップ
欧米メイクを一周して、日本人が持つ美しさに原点回帰。
「KENZO」がパリコレ、「山本寛斎」がロンドンコレクションなど、世界の舞台で日本人が認めらはじめた時代。
1980年代初期~中期「キャリアウーマンメイク」
好景気に後押しされ「キャリアウーマンブーム」が到来した1980年代。
- これまでの細い眉から再び「太い眉」へ
- 原色系の明るい色を使わず、肌に近いナチュラルカラーが中心
80年代からは多様なファッションやメイクが流行。
今のキャリアウーマンの原型とも言えるシンプルなメイク。
1980年代後期~1990年代初期「バブル期のワンレンボディコンお嬢メイク」
世界一とも言われた異常な「バブル好景気」がメイクにも投影された80年代後半~90年代前半。
“女性の強さ”と“女らしさ”を使い分けた時代。
- ナチュラルで太めの眉
- 鮮やかな口紅
- 口紅以外は薄めの化粧
「ボディコン」や「ワンレン」など時代と直結するトレンドが印象的。
1990年代後期~2000年代初期「ミレニアムクールビューティーメイク」
日本女性たちの美容ブームが到来し、本格的にメイクも多様化したのが90年代後半。
アムラーやコギャルが大流行し、トレンドの最先端を作り出していました。
- 茶髪
- 細眉
- 小顔メイク
今と比べると“作り込んだ”印象が強いメイク。
「ギャル系」「OLコンサバ系」「裏原系」などいくつもの流れに分かれて人気に。
2000年代中期~後期「モテ気分の盛り系メイク」
さらに熱の高まった空前の美容ブームから“盛り”文化が生まれた2000年代。
- ヘアエクステ
- まつ毛エクステ、まつ毛パーマ
- 目を大きく見せるコンタクト
- ジェルネール
“従来の化粧品“以外の美容アイテムが人気になったのが大きな特徴。
男性には理解できないほどの「盛りメイク」を施した女性が闊歩した時代。
2011年「3.11以降の癒し愛され・ゆるふわ系メイク」
日本中に衝撃を与えた東日本大震災をきっかけに一気に「ナチュラルなゆるふわメイク」へ傾倒。
- 涙袋メイク
- やわらかチーク
- 淡いリップ
ここにロングの“ゆるふわウェーブ”が加わり、「癒し愛され系女子」が誕生。
今でも古さを感じさせない女性らしい定番メイク。
2010年代中期「好景気のバブルリバイバルメイク」
“肌になじむ色合い“から“はっきり主張する色合い“に戻りつつある2010年代半ば=現在のトレンドメイク。
- ナチュラルで太めの眉
- 鮮やかリップ
透明感もありながら、女性らしい強さも主張。
50年代など過去のテイストに回帰しているところもポイント。
2020年「未来予想ジャパンカラーを使ったメイク」
ジャパンカラーを強く意識した「クールビューティー」が新しい2020年代。
日本の3原色といわれる「赤」「白」「黒」をベースにしながら、
- 透明感あふれる肌の白さ
- 黒いアイライン
- 赤い口紅
どことなく「京都の舞妓さん」を連想させる日本独特のメイクが特徴的。
東京オリンピックの開催年ということもあり、より“日本らしさ“を強調したメイク。
2020年「未来予想スポーティーポップメイク」
スポーツブームにも対応した軽やかで爽やかなポップ&スポーティーメイク。
- 明るいブルーカラーを使った「ダブルライン」
- 口元の「オレンジリップ」
全体に快活な雰囲気を漂わせた健康的メイク。
思い切った「ダブルライン」がどこまで自然に受け入れられるか?
近未来のスポーツ系メイクとしてオモシロイ提案。
「日本女性のメイク100年史」まとめ
オモシロかったですね~
意外に1950年代までのメイクを“今っぽく”感じましたが、いかがでしょうか?
「こんな感じのメイクあったなー」なんて懐かしさもありますね。
メイクはいつの時代も女性を映す“カガミ”。
こうしてみてみると、その時代の経済の盛り上がりや男性の好みまで見えてくるようです。
20~40年前までは古さを感じさせ、50年以上前になると最近のメイクトレンドにも通ずるテイスト。
ファッション同様、メイクもまた“繰り返す”モノなのかもしれません。
「いつもキレイでいたい」
そんな女性の想いを時代ごとにたどった「資生堂」の取り組みでした。